令和という元号にも慣れ、2020年も早くも1ヵ月が過ぎました。
冬らしくない冬となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、久しぶりに何をつぶやくかと言いますと、「いわて!わんこ広報室」という県政のミニ番組をご存じの方も多いと思いますが、この度医師確保の取り組みが紹介されます。
今回の番組では、仕事と家庭の両立に向けた職場環境の改善として、当院で働く女性医師の働く様子などが放送されることとなりました!
ママドクター制度利用第1号の産婦人科 前川絢子先生と、岩手JOYサポートプロジェクト立ち上げのきっかけを作ってしまった私麻酔科 叶城、そして上司である麻酔科 須田 志優先生のインタビューも盛り込まれています。
ぜひ、ご覧下さい!!
2020 如月
県政テレビ番組「いわて!わんこ広報室」
https://www.pref.iwate.jp/kensei/kouchoukouhou/tv/1001367.html
放送後は、各放送局のホームページでバックナンバーもご覧いただけます。
■2月3日(月)18:54~19:00
テレビ岩手 http://www.tvi.jp/wanko-koho/oa/
■2月5日(水)21:54~22:00
岩手めんこいテレビ https://www.menkoi-tv.co.jp/program/wanko/
■2月5日(水)23:10~23:15
岩手朝日テレビ http://www.iat.co.jp/wanko/
■2月6日(木)18:55~19:00
IBC岩手放送 https://www.ibc.co.jp/tv/IwateWanko/
■2月8日(土)21:54~22:00
テレビ岩手 http://www.tvi.jp/wanko-koho/oa/
新年度になりました。
今年も新たに2名の女性研修医が当院に来てくださいまして、ますます華やかになりました。
最初は6つしかなかった女医部屋のロッカー、現在は14までに造設されています。
こんな日が来るなんて。
思い返せば2011年、私が磐井病院に異動して来た当時は初期研修・後期研修の先生を中心に10名以上の常勤の女性医師がいらっしゃいました。研修医の頃よりも女性医師が多くなっていて、楽しくていいなと喜んだのも束の間、皆様それぞれにそれぞれの道へあれよあれよと巣立って行きまして、気がつけば片手で数える程の人数に逆戻りとなった訳です。研修医の先生もどういうわけか男性のみの学年が続き、「磐井病院は男性研修医しか採用しない」という噂が流れたとか流れないとか。そんなこと絶対にないのですが、一度途切れるとどうしても女性が入りにくい、働きにくいというイメージがついてしまったようです。
そんな中、私は出産→子育てと仕事のかけもち生活が始まりました。岩手県の出産・育児に関する支援制度はその時点でもかなり充実していて、また周囲の理解も得られて自分はそれ程苦労したり悩んだりはしませんでしたが、女性医師全員が全員そうではないということが色々な先生とお話しする中で見えてきました。
女性研修医の確保も大切だけれど、まずは現在働いている先生方の環境改善が先と考えていた矢先、幸運にも県知事の前でプレゼンテーションをする機会を頂きました。子育て中の女性医師の現状と課題をお話ししたところ、女性の活躍を推進する機運の高まりもあり、女性医師が出産や子育てでキャリアを失わず働き続けられるよう、従来の女性医師支援制度を拡充する形で「岩手JOYサポートプロジェクト」を立ち上げていただきました。
その発足とほぼ同時期に磐井病院医局内で女性医師・子育て支援担当係というポストを作って頂き、色々思いついた活動をしてきましたが、それよりは私自身が子育て中で支援制度の利用者であるという事実の方が、他の女性医師にとっては産後も勤務を続けるにあたってのある種の安心材料になり、男性医師にも支援制度の存在をご理解頂く一助になったのではないかと思っています。
そして次なる課題の研修医確保ですが、病院HPに女性医師支援コーナーを作って頂いたりはしたものの、私は正直こちらには殆ど役に立てた記憶がありません。全ては臨床研修担当の先生方や職員の皆様の御尽力の賜物ですが、2018年度にはついに久しぶりの女性研修医をお迎えし、途切れることなく今年度も入って頂けることになりました。彼女達が余計な苦労や問題を抱えることなく十分な研修生活を過ごせるように、必要に応じて動いて行きたいと思います。
女性医師支援のコーナーなので、女性医師のことばかり書いて来ましたが、男女問わず医師の働き方改革が叫ばれている時代です。医師不足・医師偏在の問題も同時に存在しているので単に勤務時間が短くなれば良いということではないと思いますが、何か出来ることはないか私自身も引き続き模索して行きたいと思います。
というわけで、3年弱にわたり連載してきましたこのつぶやきですが、「女性医師支援」などという言葉がなくても誰しも働きやすい時代が来るようにとの願いを込めて、平成のうちに一旦終わりにしたいと思います。後半は産育休を頂いたこともあり中々筆が進みませんでしたが、
本日までお読み頂きありがとうございました。院内での活動は引き続き細々と続けて参りますので、職員の皆様、今後とも宜しくお願い致します。
2019 卯月 平成最後のつぶやきでした。
前回のつぶやきにて「隔月連載が目標」と書いたんですが、4カ月も空いてしまってすみません。
実は私、現在産休を取らせて頂いています。今月から育休に切り替わるところです。そんな訳で色々とバタバタしております。
磐井病院に着任して、3回目の出産となりました。最初の頃は復職の時期や働き方について周囲から色々言われることもありましたが、さすがにもう皆呆れたのか諦めたのか、ただ黙って見守って頂きました。
今までは産後数カ月程度で復職しましたが、今回は少し長めにお休みを頂く予定です。久しぶりの3-4 時間サイクルの赤ちゃんのお世話に加えてこの暑さ、以前より年を取った影響もあり結構体に堪えます。そして上の子たちの相手がこれまた大変です。ずっと家で静かにしていられないお年頃。毎日大騒ぎです。この炎天下に赤ちゃんを連れ回すわけにもいかず、周りの力を借りながらなんとか過ごしています。今まで仕事と生活に追われて十分に接してこられなかったので、この夏休みはたくさん思い出を作ってあげたいです。
そんなこんなで現段階ではとても仕事のことを考える余裕がありませんが、少しゆっくり過ごして子供の成長を見守りたいと思います。
でも、自分には仕事を辞める選択肢はなく、必ず戻ってまた働きます。
また働きたいと思える職場があり、時短勤務などの制度が充実していることは本当にありがたいです。女性の働き方が見直されつつある今だからこそ、1つずつ前例を積み重ねていければと思います。
磐井病院での出産など、書きたいテーマはたくさんあるので、育休中も細々と更新したいとは思っていますがなかなかパソコンにたどり着けない生活なのでどうなることやら自分でもわかりません。
また次回、いつなるかわかりませんがよろしくお願い致します。
2018葉月
新年度が始まり、当院でもたくさんの新しいスタッフをお迎えしました。
実に7年ぶりに女性の研修医の先生がいらしたのを含め、常勤では新たに3人の女性の先生がいらっしゃいました。他にも診療応援や他院の研修医の先生が期限付きではありますがお越し下さってっていて、いつもより女性医師数が増え、とても賑やかになっています。
新しくいらした先生方に少しでも快適に過ごして頂けるよう、年度末には女性医師休憩室兼更衣室(通称・女医部屋)の大改造を行いました。前年度中にアンケートをとった結果、「部屋の中を土足禁止にして、靴を脱いでくつろぎたい。」という意見が多くありましたので、全面にカーペットを敷きました。靴箱や傘立てなどはドアのすぐそばへ移動させましたが、自分も含めてこれまでのクセで土足で上がらないように「土足厳禁」の張り紙は当分掲示しておこうと思います。
また、長年の汚れが目立ってきたソファには洗濯できるカバーをつけてより衛生的に使えるようにしました。部屋全体の色調はこれまではオレンジの占める面積が多かったのですが、カバーやカーペットをアイボリーにしたことで部屋が広く感じられるようになりました。
今回の改装にあたっては医局クラークお2人にたくさんのご協力いただき、本当にありがとうございました。そのうちのお1人は年度末に退職されてしまい(この「女医のつぶやき」の連載にもご協力頂いておりました)とても残念ですが、新生活が充実したものになるよう、心から応援しています。
また時期を同じくして、医局人事などでお2人の女性医師が当院での業務を終えられました。業務上の相談に快く乗って頂いたのはもちろんのこと、女医部屋や飲み会の席などではたくさん色々なお話しが出来て本当に楽しかったです。先生方の新天地でのご活躍を祈念しております。
新たに配属された医局クラークさんに「女医のつぶやき」のお手伝いを継続して頂けることになりましたので、今年度も頑張って書いていきたいと思います。隔月連載のペースを守ることが目標です。新たな先生方の紹介も交えつつ、今後は当院での出産についても少しずつご紹介できればと考えています。病棟助産師を中心に取り組んでいる母乳育児推進活動について多くの方に知って頂けるとうれしいです。
それでは、今年度もどうぞ宜しくお願い致します。
2018 卯月
この冬はいつにも増して寒さが厳しいですね。
日本海側では豪雪による被害も出ており、亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、1日も早い事態の収束を願ってやみません。
心から春が待ち遠しい今日この頃です。
立春も過ぎまして、オリンピックが終わる頃には、もう少し温かい気候になっていて欲しいものです。
さて先日、県立病院の医師連が主催する「知事と県立病院に勤務する医師との懇談会」が開かれました。各診療科固有の問題はもちろん、救急医療に関する内容や医師の働き方について、岩手県関連奨学生医師のお話など、毎年県内各地の先生方から様々な発表があり、それを知事が直接受け止めて県の医療に還元するという非常にありがたい機会となっています。
私は3年前のこの会で子育てと仕事についての現状をお話させて頂きましたが、それをきっかけに「いわてJOYサポートプロジェクト」を立ち上げていただき、現在に至っています。幸運にも今年も発表の機会を頂きましたので、プロジェクト開始による女性医師数の変化や当院での取り組み、その中で見えてきた課題などについてお話ししてきました。
せっかく作って頂いたプロジェクトがさらに浸透し、多くの女性医師が仕事も子育ても両立していくことによって、医師不足解決の一助になればと願っていますし、そのために今後も出来る事から出来る範囲で個人的にも取り組んでいきたいと思っています。
さて、話は変わって前回の続き、進路選択の体験談です。昨夏開かれた高校生対象の医療職に関するセミナーでもお話ししましたが、正直に言って、私はそこまで強く「医師になりたい」と望んでこの世界に入った訳ではありません。
進学校に入った以上大学受験は避けられず、かと言って今みたいに何でもインターネットで調べれば分かる時代でもなかったので、世の中にどんな職業があって、その中で自分が将来何かになるというようなビジョンを明確に持てず、高校時代は目の前の部活や毎日の生活を謳歌して過ごしていました。親戚にも身近なところにも医師はおらず、そこまで病院にお世話になるような体験もなく、医師というのがどういうものかもわからないまま、「医学部に合格できたらすごいな」という怖いもの知らずの勢いだけで進路を決めたような状況でした。
なので、大学に合格してからしばらく、というか、卒業して仕事を始めた後もかなり長い年月、「ここは自分みたいな人間が来る所じゃなかった。医師になるべきじゃなかった。」という悩みを抱え続けることになりました。小さい頃から医師になるのが夢だったり、家が病院経営しているから医師になったという友人達を心底羨ましく思いました。
単純に勉強が大変とか仕事が忙しいからというよりは、夢とか志とか、何かそういう大義名分がないと、医師という仕事は選んじゃいけないものという思い込みが強かったのかもしれません。だからといって辞めてまで選びたい道もなく、続けてきたというのが正直なところです。
その思い込みから逃れるきっかけの一つは、震災でした。当時沿岸部に勤務していました。幸いにも大きな被害は免れましたが、それでもインフラの破綻や家族と連絡が取れない不安の中、「自分にしかできない仕事が今目の前にあるという現実」が嫌が応にも当時の自分を支えてくれました。
もう一つは、家庭を持って子供が生まれたことです。育てるために、食べさせるためには働かなければいけない。親として当たり前のことですが、仕事を続ける明確な理由が出来たことも大きかったです。そこに自分と同じような立場の女性医師をサポートするというやりがいも加わり、今は、とても前向きに仕事に取り組めていますし、医師になって良かったと思っています。
そんな矢先、法医学をテーマにしたドラマの中で、将来や夢がわからずに医学部を休学してバイト生活をしている青年に、うろ覚えですが主人公の法医学者がこんなことを言っているのを耳にしました。
「働くのは生きるため。夢なんかなくても、お給料であれを買おうとか、誰かのために働くとか、そういう小さい目標みたいなものがあればいいんじゃない?」
思い込みで縛られていた頃の自分に、聞かせてあげたいなと思いました。
こんな医者もいます。すみません。未来ある若い人達には全く参考にならず、参考にされると困るような話を書いて恐縮ですが、色んな人がいるんだなとでも思ってください。
いずれ、今それぞれに受験を控えた皆さんが、温かい春を迎えられるよう応援しています。
未来に向かって、頑張って下さい。
2018 如月
早いもので今年も残すところ数週間となりました。
一関市内では小学校・中学校の文化祭(最近では学習発表会という呼び方が主流のようですが)は主に秋に開催されますが、こども園・幼稚園の発表会は12月に行われることが多いようです。
我が家の子供が通う園でも週末におゆうぎ会が開かれました。家でわがまま放題している姿しか知らないので、他のお友達と一緒にちゃんとダンスをしたり歌を歌ったりしていて感動しました。知らないうちに成長しているものですね。
園児にとっては楽しい冬ですが、受験生の皆さんには試練の季節となりましたね。大学受験や高校受験、一関一高付属中ができてからは市内でも中学受験を控えたお子さんをお持ちのご家庭もあると思います。
というわけで今回はちょっと趣を変えて、受験の話、「医師になるには」をお送りしたいと思います。
日本で医師になる=医師免許を取得するためには、医師国家試験に合格することが条件となります。
海外の医師免許を既に持っている場合はちょっと規定が違うようですが、医師国家試験を受験するためには、国内の医学部に在籍し、卒業(現役生の場合、国試受験時には卒業見込という扱いになると思います)する必要があります。
医師国家試験は毎年合格率90%近くにのぼるので、つまり医学部を卒業すれば大体の人は医師になれるということになります。
医学部を卒業するには、大学によって多少の違いはありますが、各年度で様々な試験をパスし、指定された単位を取得することが必要となります。近年では病棟実習の前には全国統一試験が行われ、そこで一定の成績を取らなければ直接患者さんと接する勉強ができなくなりました。
色々と大変ではありますが、周囲に合わせて勉強すれば、多少留年することはあっても「卒業できない」という事態はそこまで多くはないと思います。
というわけで、医師になるための一番の関門は「医学部に入学すること」になります。
多くの方がご存知のように、医学部は理系の最難関学部とされています。大学間で多少の差はありますが、いずれの大学でも最も高い偏差値が要求され、かつ、希望者が多いので倍率も一番高いというところも多いのではないでしょうか。
今でこそ様々な奨学金システムが充実してはおりますが、特に私立大学の医学部では学費がかなり高額となり、家庭によってははじめから受験できる大学が絞られるというところも少なくないと思います。
受験科目については、推薦入試か一般入試かで違いますが、一般であれば二次試験は理系教科主体というところが多いと思います。以前知り合いから「理科は物理と生物どちらを選択すべきか」という質問を頂いたことがありますが、いずれどちらも大学入学後に基礎を学び直すことになります。受験にあたり、単純にどちらが点数を取りやすいか、どちらが得意かで選んでいいと思いますが、大学によっては受験教科が指定されているところもあったりするので、そこだけは注意してください。
英語と数学はほぼ必須なので、この二教科はしっかり鍛えておくといいと思います。
色々と思い出しながら書きましたが、私の頃とは時代も違うので、さらに詳しいことは高校の進路指導の先生に相談してくださいね。
成績、学費、受験科目など、様々な条件を踏まえて志望先を決めるのは何も医学部に限ったことではないと思いますが、改めて考えるとやはり大変ですし、そう遠くない将来我が子が医学部を目指したいと言い出したらどうしようか、親としても悩むところではあります。
まだまだ書きたいことはありますが今日はこのくらいにして、次回は自分の体験談を少しお話ししたいと思います。
それでは皆様、よいお年をお迎え下さい。
2017 師走
10月に入りまして、週末毎に各地でさまざまなイベントが行われています。
この連休は子供の園の行事でサツマイモ掘りに行ってきました。
久しぶりに泥まみれになり、やたら太くて長いミミズに若干びびりながらも、たくさん収穫することができました。サツマイモ畑の近くで開催されていたイベントにも参加し、つきたてのお餅を頂きました。
大町ではダンスやスイーツのイベントも行われていましたね。
熱気球グランプリにあわせて開催されるバルーンフェスティバルももうすぐです。たくさんの気球が堤防沿いに並んで、音楽に合わせて一斉にガスバーナーに点火させるあの光景。今年も楽しみにしています。
どうか晴れますように!
さて、秋が深まるにつれ、小さい子供のいる家庭で一騒動起きるのが、
いわゆる保活です。
我が家でもいろいろありました。
市の保育制度が改正され、市内の施設が一気にこども園化して間もない数年前のことです。
一関市では毎年11月に次年度の入園申し込みが始まります。
前年入園した知人のところと同じように行動すればいいのかなと軽く考えていましたがこれが大間違いで、受付開始すぐに申請に行ったのに、希望していたところは既に定員オーバーでした。
そこから大慌てで情報収集を始めたんですが、まあ、はっきり言って、時既に遅し。
その年はどこも前年と状況が違っていて、そして制度を調べれば調べるほどわからないことが多くて、市のHPと何度もにらめっこしました。
結論としては、友人のアドバイスにより、我が家では市のこども園制度と関わりのない幼稚園(延長保育もあり)に入園させることにしましたが、そこに至るまでの日々はものすごい葛藤とストレスでした。
「院内保育所」という待機問題のない非常にありがたい環境に慣れきっていたため、世の中の動きに対するアンテナが低すぎたことを反省しましたが、仕事をしながらそういう情報を集めることの難しさも知りました。
そこで翌年、保活経験のある職員から各保育施設の情報や保活の際の注意点を教えて頂き、次年度以降入園予定のお子さんのいる職員に還元するという活動を始めました。やはり同じ苦労をしてきた方が多く、非常にたくさんの有益な情報を集めることができました。
また、情報を受け取った職員の皆さんからの反響も非常に大きく、当面の間継続して活動していくことにしました。
ほんの数年、去年と今年でも微妙に保育の状況は変わってきます。そして施設と子供の相性や自宅からの距離など、どこの施設を利用したいか考える上で、たくさん条件もあると思います。しかも、どれだけ考えても、希望通りの施設に行けるかどうかわからない。
保活、本当に大変なんです。
我が家のころに比べれば新しい保育制度も浸透してきましたし、市のHPの内容も充実してきて最近ではそれぞれの園の特徴や行事なども掲載されています。先輩お母さんとの会話からヒントが得られることもあります。いずれにせよ、早い段階から様々な情報を活用しつつ、実際に見学や行事に参加してみることをおすすめします。
今後も職員同士協力して、お互いにサポートしていけたらいいなと思います。
2017 神無月
梅雨も明け、いよいよ夏本番ですね。
盛岡のさんさ踊りをはじめ、東北地方各地で有名なお祭りが開催される時期となりましたが、我が一関市でもこの週末に夏祭りが行われます。
2日目のくるくる踊りには磐井・南光病院合同でチームを組んで毎年パレードに参加しています。その後のビール、最高です。
ビールと言えば地ビール祭りも今月末に控えています。とても人気があるイベントで毎年多くの人で賑わっており、行けば必ず病院の誰かに会うことができます。
さて、そんな8月ですが、運動部所属の医学生さんにとっては最大のイベント、東医体・西医体(東日本・西日本医科学生体育大会の略だったと思いますが)があり、その昔私も稽古に汗を流しておりましたが、それと平行して夏休みを利用してあちこちの病院を見学してまわり、将来の研修先を考えるのもこの季節です。
当院でも連日全国各地から医学生さん達が見学にいらしてますが、私は主に女子学生さんへのオリエンテーションを担当させて頂いております。若い人と話すと元気が出ます。
また、先日は岩手県関連の奨学生を対象としたいわて医学奨学生地域医療交流セミナーという催しにも参加させて頂き、多くの学生さんとお話することができました。
初期研修をどこですべきか、何科の医師になるか、どこの大学に入局するか、皆さんそれぞれに真剣なお悩みを抱えつつ、将来のビジョンを探している様子でしたが、その中で一番多かったのは、やはり「妊娠・出産はいつするべきか?」というものでした。
生物学的にはもちろん若いうちがいいに決まっているけど、医師として研鑽を積むタイミングに重なってしまうので、「専門医を取ってからか、その前か」というあたりのラインで悩むケースが多いようです。
色んな人に聞かれたので考えてみたんですが、結果、「欲しいと思って、授かった時に産めばいいと思う。」という答えしか出てきませんでした。
いつ産んでも、子育ては時間と手間がかかるものなので、そこに仕事を重ねるとなると、生活環境や育児サポート体制、職場の状況によって「どのくらい働けるか」は全員違うと思います。
そして、たとえば仕事で一人前になってからの出産を考えていたとしても、希望通りに妊娠できる保証はないし、加齢に伴って妊娠しにくくなるのは人類の生物としての限界なのでこればっかりはどうしようもありません。そして、一人前になるイコール責任が増えるというのが職場というものなので、都合良く仕事を離れられるかという問題もたぶん出てきます。
考えれば考えるほど悩みが増えるだけだし、いろいろ考えた上で、どういう選択をして、どういう結果になっても、誰も代わってくれないし、誰も責任を取ってくれません。
だから、子供を欲しいと思って幸いにも授かった時が産むタイミングで、あとは進めるように進むしかない、というのが私個人の意見です。
進めるようにしか進めないことに対しては苛立ちや不安が出てくるものですが、それでも進んでいれば、道は開けてきたりするものです。
偉そうなことを書いて、私自身進めるようにしか進んでない真っ最中ですが、似たような境遇の女性医師が周りに増えてきたし、若い皆さんにとっての一つのモデルケースになっていけたらいいなと思っています。
先日、見学に来た女子学生さんに聞かれました。
「こんなに色々女性医師にやさしい取り組みをしているのに、どうして女性の研修医がいないんですか?」
私も、どうしてなのか知りたい。
そしてそこを解決できるように、引き続き色々策を練っていきたいと思います。
2017 葉月
暑かったり急に冷え込んだり、気候の落ち着かない日々が続いております。
季節の変わり目、体調にはくれぐれも気をつけてお過ごし下さい。
さて、この連載も6回目。がんばって10回位は続けたいと思っています。
今回は、岩手県の女性医師支援制度についてです。
当院のHP上にもその内容の一部を抜粋して掲載しておりますが、昨年度末に、概要をまとめたパンフレットができあがり、当院医師にも配布されました。
学生や研修医対象のセミナーや就職説明などに活用していくようです。
岩手県医療局HPからもご覧になれますので、興味のある方は「岩手県立病院JOYサポートガイドブック」で検索してみて下さい。
当院の常勤女性医師数は今年度8名に増えましたが、そのうち7名が母親業との兼業です(産休中の先生方も無事ご出産されました!)。
県内でも、全国的にも、あまり類を見ない割合なのではないかと思います。
支援制度の利用状況は各自の家庭の都合や子供の年齢で様々ですが、似たような境遇の方が身近にたくさんいるというのは本当に心強いです。
今後も個々にライフスタイルの変化はあると思いますが、それぞれの状況に柔軟に対応して、みんなが働き続けられる環境を維持していけたらいいなぁと思います。
それでは、申し遅れましたが、当院の医局内で女性医師・育児支援担当係をしております、私 叶城の自己紹介をさせていただきます。
-磐井病院に入職した理由・きっかけ
地元という理由で初期研修先として磐井病院を選択しました。
その後各地を転々とし、卒後7年目から麻酔科医として勤務しています。
-磐井病院で働いてみての感想
初期研修中は職種を問わずどのスタッフも非常に親切に接してくださって、いい病院だなぁと思ってました。
戻ってきてからも相変わらず親切にして頂き、やっぱりいい病院だなぁと思っています。
-子育てと仕事を両立させるための工夫
・体力と時間には限界があるので、優先順位をよく考えて、自分のできる範囲で倒れない程度に楽しく無理なく過ごすことが、どちらも長続きさせるために大切だと思っています。
・人の助けは遠慮せず貸していただき、その感謝を言葉や態度でしっかり表すことが好循環を生むのではないかと。
-これからやってみたいこと・始めたいこと
日本体育協会公認スポーツドクターの資格を持っていますが、完全に持ち腐れ状態なので、何らかの形で地域のスポーツ活動に還元できないか模索中です。
-特技
中段逆突き(日本空手協会 三段持っています。)
-座右の銘
天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
-最後に一言
女性医師・育児支援活動を継続的・発展的に行えるようこれからも微力ながらがんばっていきたいと思います。「女医のつぶやき」もよろしくお願いします。
※写真は女医部屋での一コマです
2017 水無月
新年度がはじまりましたね。
当院でもたくさんの新たなスタッフをお迎えしましたが、なんと女性の常勤医師が一気に二人も仲間入りしてくださいました。ありがたやありがたや。実はそのうちのお一人から「女医のつぶやき読んでましたよー。」と声をかけていただきまして、HP上のこんなわかりにくいところにある連載ですが、細々続けてきてよかったなぁとうれしく思っております。重ねてありがたやありがたや。
新しい女性医師の皆様は追々ご紹介するとして、今回は、今月より無事に産休に入られました、放射線治療科 阿部恵子先生へのインタビューをお届けします。
-磐井病院に入職した理由・きっかけを教えて下さい。
結婚を機に医局に相談し通勤しやすい場所に異動させてもらいました。
-磐井病院で働いてみての感想はいかがですか?
今まで働いていた病院よりは小規模で職員みなさんの顔が見えやすいです。同年代の医師に話しやすい方が多いです。ただいま妊娠中ですが出産を経験した女医さんがいるので環境も整っているし相談もしやすいです。
-子育てと仕事を両立させるための工夫はありますか?
まだ出産前ですが出産後は両実家の家族に甘える気満々です。
-忙しい毎日の中で、癒される瞬間はどんな時ですか?
おいしいものを食べているとき
ふとんに横になったとき
休日に好きなラジオ放送(J wave)をきいているとき
-これからやってみたいこと・始めたいことはありますか?
登山、プチ農業、小川先生と同じでキャンプ、米粉パン作り、お酒(これから始めたいことというより早く再開したいことです・・・)
-一関市のおすすめスポットを教えてください。
まつるべ温泉・・お湯がちょうどいいし、静かでおちつきます。
カフェKOCO・・コーヒー豆やお手頃な陶器も販売しています。
たてがもりアーク牧場・・豚肉がおいしい!
栗駒山への道中は新緑の時期は最高です。
-趣味・特技を教えて下さい。
読書。大きな書店に行っていろいろ立ち読みするのが好きです。
海外旅行が好きですが最近はなかなか行けないのが少々つらいです。
アート鑑賞、美術館めぐり。子供といっしょにアート鑑賞するのが楽しみです。
-座右の銘を教えて下さい。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(千田先生と同じですね!)
-最後に一言どうぞ。
どこの病院にも長所短所はありますが、当院のよいところは出産後のドクターに恵まれている環境が整っていることだと思います。ありがたいことです。私は放射線治療科一人常勤で科内には相談できるドクターはいないのですが、医局の理解や院内の女性医師の方の存在がありますので、妊娠中の今もあまり心配ごともなく生活できていますし、出産後のことも楽観的に構えています。これから結婚出産を考えている女医さんはもちろんのこと、女性の研修医も増えて欲しいです。こちらのホームページをきっかけに興味をもってくださったらうれしいです。
ありがとうございました!!
今まで頑張ってお仕事された分、しばらくゆっくり体を休めて、元気なお子さんを産んで下さい!
復職される日をお待ちしておりまーす♪
2017年 卯月
寒さも一段と厳しさを増し、慌ただしい年の瀬となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
女医のつぶやき3回目、本日はちょっと趣向を変え、当院が誇る女性医師休憩室(通称:じょいべや)の中をちょっとだけご案内したいと思います。
なかなか女性医師数が増えない状況を打破すべく、S副院長の発案でこの部屋ができたのは今からおよそ4~5年前(うろ覚え)。
更衣室を兼ねたこの部屋は、当然のことながら男子禁制であります。
以前の女性医師更衣室は医局の隅っこの、ロッカーが数台並んだ無機質な狭い部屋で、いわゆるただの『更衣室』でした。
出入り口にカーテンで目隠しを設けたものの、鍵をかけられないドア1枚隔ててすぐそこは医局なので、男性医師がうろうろ。
あまり、気分のいいものではありませんでした。
当直室も女性用のものが医局内にありますが一部屋だけなので、当直医以外が夜間呼び出されて仮眠を取りたい時に人目を気にせず休めるスペースもありませんでした。医局の真ん中にあるソファに転がる勇気がなく、机に突っ伏して寝るのがおきまりパターン。
今もなお、そういった病院も数多くあると思いますし、それが常識かもしれません。
かくいう私も、まあ病院なんてそんなもんだと思っていたので、女性医師休憩室を作るという話が出た時は正直言って「まあ別に今のままでもいいけど。」と思っていました(S副院長ごめんなさい)。
でもせっかく作ってくれるというので断る理由もなく、それから間もなく、じょいべやは医局から廊下を挟んだ対側、病院図書室の隣に誕生しました。
中の備品は当時の女性医師達の意見を取り入れ、個人のロッカーに加えて2段ベッド、ローテーブルとソファ、電子レンジ、ポットなどを置いて頂きました。
さらに「やっぱり靴脱いで休んだり着替えたりしたいよね。」ということで、ソファ下とロッカーの足下にはラグマットを敷いております。これは、女性医師みんなでお金を出し合って購入しました。
他にも各家庭で使わなくなった掃除機やコーヒーメーカー等を持ち寄り、ロッカー造設などで数回の模様替えを経て、現在の快適空間が出来上がりました。
当初は消耗品は気がついた人が自前で持ち寄っていましたが、現在は医局費から補助を頂いて購入しています。
とにかく、本当に快適です。
自分が一番ありがたみを感じたのはまだ子どもに授乳していた頃、仕事の合間に搾乳する時でした。
今では女性医師みんなの憩いの場になっており、お昼休みになんとなく集まってきておしゃべりしながら過ごすことで、自然に女性医師同士のコミュニティができあがりました。科を越えた交流ができるので、患者さんの情報共有ができて日常診療にも役立っています。
「まあ別に今のままでもいいけど。」と思った自分に跳び蹴りをくらわせたいです。
他の県立病院でも、女性医師専用の当直室や休憩室を設置しているところもあるようですね。
興味のある先生方や学生さんは、是非見学にいらしてくださいね。
もちろん、申し訳ありませんが、女性限定となりますのでご了承下さいませ。
それでは、よいお年をお迎えください。
2016年 師走
秋も深まりつつある今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?
我が家では子供達の咳と鼻水が止まらなくなり、そろそろインフルエンザも出始める時期ですが、くれぐれも体調管理に気をつけてお過ごし下さいませ。
それでは女医のつぶやき第2回、今回は消化器科・小川千恵子先生へのインタビューです☆
-磐井病院に入職した理由・きっかけを教えて下さい。
地元で、親の協力のもと育児をしながら仕事をするためです。
-磐井病院で働いてみての感想はいかがですか?
女性医師は少ないですが、みんな話しやすいメンバーだし人間関係的にもストレスは少ない職場だと思います。ただ、育児しながらの勤務はどの病院でも厳しいことにかわりはないと実感しました。地域の中核病院なので、とりあえず一通りの診療は経験できるのでスキルアップ、維持にはありがたいです。
-子育てと仕事を両立させるための工夫はありますか?
・短時間で仕事を終わらせ、短時間で家事をこなす。
・短時間でも子供と濃密に接する(努力はしているが、できていない・・)
・幼稚園、学校の行事は可能な限り、参加する。
・仕事は自分の容量的に引き受けられない時は、きちんと断る。
・自分の両親、職場の同僚など頼れる人には頼ってしまう。
・親と同居前は、お金を払ってファミリーサポートやお手伝いさんを雇い、保育園のお迎えや、朝、晩の育児・家事を手伝ってもらっていた。
-忙しい毎日の中で、癒される瞬間はどんな時ですか?
・子供が楽しそうに遊んでいるのを見る時
・愛犬と遊ぶ時
・子供が眠ったあとの僅かなのんびり時間
-これからやってみたいこと・始めたいことはありますか?
キャンプデビューしたので、さらに経験を積んで子供と楽しみたい。
-一関市のおすすめスポットを教えてください。
・アーク牧場・・レストランがおいしい。卵ひろいができる。
・いわてサファリパーク・・こんな近くにサファリパーク!
・かんぽの宿・・冬に行くところがない時に。広い座敷でまったりできる。
・道の駅かわさき・・おいしいものがたくさん。
・幽玄洞・・意外と感動します。
・まつるべスノーランド・・一番近いスキー場。安いです。
-趣味・特技を教えて下さい。
趣味・・旅行
特技・・短時間で片付けること。
-最後に一言どうぞ。
女性医師でも仕事と育児はなんとかやっていけます。がんばっている姿を子供に見せることもいい影響を与えるのでは、と前向きに思っています。
結婚、出産を考えている女医さんたちもぜひいらしてください!
ありがとうございました!
キャンプ、とっても楽しそうです。うらやましい!我が家でもがんばってみようかな。
それでは、第3回もお楽しみに♪
2016年 霜月
晴れて女性医師支援コーナーが病院ホームページ内に立ち上がりました!
これから不定期に様々な情報を連載して参りたいと思います。
記念すべき初回は、当院の女性医師へのインタビュー。
地元一関出身・整形外科の千田優子先生です☆
-磐井病院に入職した理由・きっかけを教えて下さい。
医局人事での派遣です。
一旦県外の病院に転勤しましたが、
地元の人と結婚したので、希望を出してまた戻って来ることができました。
-磐井病院で働いてみての感想はいかがですか?
働きやすいです。スタッフが皆優しい。女性医師室の導入もとてもよかったです。
-忙しい毎日の中で、癒される瞬間はどんな時ですか?
帰宅して、家族とゆっくりする時間です。
職業人としては、心配していた患者さんの病状が回復したときや、外来で診察した際「よくなったよ」と言われるとうれしいです。
-これからやってみたいこと・始めたいことはありますか?
せっかく地元で働けているので、健康増進のためのセミナーや集まりなど貢献できる場があればいいなと考えています。ですが、今は出産を控えているので、まずはまわりの女性医師仲間のように、家庭の充実や子育てと仕事との両立ができるようにしたいです。
-一関市のおすすめスポットを教えてください。
厳美渓。景色もいいし、空飛ぶ団子が楽しいです。
一関市立図書館。きれいで本や雑誌が沢山あります。
-趣味・特技を教えて下さい。
趣味は旅行と読書、特技は手芸(こまごましたものを作る)でしょうか。今後料理を特技にしたいと思っています。
-座右の銘を教えて下さい。
「実ほど頭を垂れる稲穂かな」。
昔は「大海も一滴から」でした。
-最後に一言お願いします。
まわりに子育てしながらばりばり働いている女性医師が沢山(増えてきています。) いるので、これから研修を始める女性医師にとっては、将来のモチベーションにつながっ たり、自分の将来像を持ちやすくなったりとメリットが沢山あると思います。
いろんな科の女性医師が活躍していて、女性医師室で科や仕事を超えたいろいろな話ができるのも楽しいです。
男性医師も優しく理解のある先生が多いので、医局としても働きやすい環境にあると 思います。
サポートは惜しみませんので、是非研修にきてもらえればと思います。
ありがとうございました。
無理せず過ごして、元気なお子さんを産んで下さいね。
それでは、次回もお楽しみに♪
2016年 長月