臨床工学技士

臨床工学技士

当院では3名の臨床工学技士が在籍しており、CEセンターを中心に、透析室、カテーテル室、病棟、手術室など院内の様々な場所で業務を行っています。

 

<医療機器を管理する仕事>

病院内には多くの医療機器がありますが、その医療機器を管理するのは臨床工学技士の仕事です。臨床工学技士が中心に医療機器を管理することを中央管理といいます。臨床工学技士がいない時は、病院では医療機器は各部署(病棟)ごとの管理になっていました。そして故障などがでると、事務部門にもって行き、事務部門は業者に引き渡すという流れでした。医療機器の購入なども病棟ごとの申請によって、必要なものを判断して購入するという形でした。臨床工学技士がいて、中央管理を行ったとすると、これらのシステムが大きく変わります。まず、病棟ごとの機器は、院内どこでも使える機器になり貸出しも行うことができます。このように、医療機器に関してすべてを臨床工学技士部門を通すことで、病棟の業務量の軽減をはかり、事務部門の業務量の軽減もはかります。また院内の医療機器を全体的に把握できているので、医療機器の適正配置と、貸出しが可能となります。また医療機器購入に対してのアドバイスなどもできます。業者とのやりとりも大きな仕事です。新しい機器が出たら、デモを行い、その機器の評価と看護師の意見を聞いたりもします。現場で医療機器を使うのは看護師です。そしてその看護師の意見を業者に伝えることも重要です。そうすることで、業者は会社に現場の情報をフィードバックし今後の医療機器の開発につなげてくれます。臨床工学技士はこのように、病院と病院外との仲介役でもあります。

 

<人工呼吸器の仕事>

人工呼吸器とは、自分で呼吸ができない場合に人工的に換気を行う機械です。人工呼吸器の仕事と聞いても漠然としていますが、どんなものがあるかというと、

・人工呼吸器のセットアップ
・人工呼吸器の回路交換
・人工呼吸器の保守点検

・院内の人工呼吸器の管理

・人工呼吸器の安全管理対策

・人工呼吸器の勉強会開催

などがあります。人工呼吸器は、基本的に病棟で使われますが、人工呼吸器の基本的な設定は、医師が行います。臨床工学技士は、どちらかというと人工呼吸器のみを扱う場合がほとんどです。なぜなら、臨床工学技士は人工呼吸器を装着している患者さんのそばにずっといるわけではないので、看護師の方が患者さんの状態には詳しいからです。人工呼吸器装着患者では、人工呼吸器のケアは看護師が行い、臨床工学技士は人工呼吸器のトラブルなどで呼ばれ、人工呼吸器のトラブルを対処する場合がほとんどです。また、人工呼吸器の操作方法を説明したりもします。人工呼吸器のメカニカルな部分が臨床工学技士の仕事の内容となっています。

 

<心臓カテーテル室の仕事>

心臓カテーテルとは、狭心症や心筋梗塞疑いの患者さんに対して、心臓の血管を造影して、心臓の血管に異常がないかを調べる検査です。心臓カテーテル業務とは、心臓カテーテルを行うときに、心臓カテーテル室に入り、ドクターの補助的仕事を行うことです。

主な仕事としては、

・心電図の貼り付け、心電図のモニター(12誘導)、記録

・大動脈圧波形、心室の圧波形のモニター、記録

・スワンガンツなどの圧波形記録

・IVUS(血管内超音波)のセットアップ、操作

・圧ライントランスデューサーのセット

・IABPのセットアップ、スタンバイ

・ペースメーカー植え込み時のセットアップ、スタンバイ

などがあります。病院によって行っている業務は違うと思いますが、だいたい上記の内容になっています。

 

<ペースメーカー外来の仕事>

ペースメーカーを植え込んでる患者さんは定期的にペースメーカーの点検を行わなくてはいけません。当院では毎週水曜日に外来で点検を行っています。プログラマーという機械を使ってペースメーカーの状態を見たり、設定を変更することができます。そのプログラマーを操作して、ペースメーカーの電池の状態、リード線の状態、設定は適切であるかを判断し、医師に伝えます。

 

<人工透析の仕事>

人工透析とは、慢性腎不全、急性腎不全の患者さんに行う治療です。慢性腎不全、急性腎不全の患者さんは、腎臓の機能がきちんと働かないので、おしっこがでません。おしっこがでないと、体の体液量が増加します。つまり循環血液量が増加します。そうなると、心臓に負荷がかかって、心不全や肺水腫になります。また血液中の不純物が体中に蓄積するので、その不純物による尿毒症という症状がでてきます。これらを改善するためには、腎臓の代わりを行うことが必要です。つまり、血中の水分と不純物を外へ排出してやればいいわけです。それを人工的に行うことが人工透析です。

■人工透析中の臨床工学技士の仕事

・透析装置の準備

・透析装置への回路の装着

・穿刺の準備

・穿刺

・透析装置の操作、設定

・透析中の患者さんの観察

・透析終了時の透析装置の操作

・透析終了時の針の抜針

・透析装置の洗浄

 

<血液浄化関連の仕事>

血液浄化とは、体内の血液を体外に出して、装置とフィルターや膜を使ってきれいにして再び体内に返すことです。血液は回路を流れ、フィルターや膜などを通る時に、除去したい物質がとれて、血液がきれいになるというしくみです。血液浄化装置と回路、フィルター等を使用し、この装置の操作、回路などのセットアップを行うのが、臨床工学技士の仕事です。

血液浄化の種類

血液浄化には、以下のような種類があります

・血漿交換(膠原病、劇症肝炎、重症肝不全などに行います)

・白血球除去療法(LCAP、GCAP)(潰瘍性大腸炎、リウマチに行います)

・エンドトキシン吸着(PMX)(敗血症などに行います)

・薬物吸着(DHP)(薬物中毒などに行います)

これらの血液浄化は、すべて装置に回路をセットアップしなければならないので、その回路をセットアップするのが仕事で、そして治療を開始してから装置が順調に動いているかを見るのが、臨床工学技士の仕事となります。治療時間は、各血液浄化、1~2時間くらいです。

 

<病棟での仕事>

病棟にも医療機器はあります。どんな医療機器があるのかというと、パルスオキシメーター・血圧計・酸素流量計・ベッドサイドモニタ・セントラルモニタ・輸液ポンプ・シリンジポンプ・ネブライザーなどです。これらの機械にトラブルが起こったり、故障したりすれば、臨床工学技士の出番になります。だいたい病棟で機械にトラブルがあれば、臨床工学技士が対応します。このように、直接病棟に行き機械を見ることですばやく対処することができます。

 

<その他の仕事>

・業者とのやりとり

病院内にはさまざまな医療機器があり、また医療機器は日々進歩していくので、新しい機器ができてきます。その新しい機器が出た時や、使用する場合、業者の方に説明してもらい、操作方法などを覚えます。そしてその操作方法を医師や看護師に教えることになります。また、医療機器の選定の時、いろいろな業者から説明をしてもらい、またデモンストレーションを行い、そしてどの医療機器を買うかを決めたりもします。また、医療機器を先生に紹介したり、看護部に紹介したりします。故障や、修理の時も業者の方と連絡をとり、代替器を持ってきてもらったり、どこがおかしいのか聞いたりします。このように、臨床工学技士は、院内だけでなく、院外の業者の方々と、話をする機会が多いです。また営業の方や技術の方と話をすることで、いろいろな情報を得ることもできます。


・院内教育(勉強会の開催)

院内教育とは、勉強会の開催などですが、看護師むけの勉強会を開いたりします。どんな勉強会を開くのかというと、輸液ポンプ、シリンジポンプの使い方、人工呼吸器の使い方など各医療機器で、看護師がよく使う機器などが対象となります。